Posted on 11/08/2026 at 11:59, by matsumoto

ユダヤ人キリスト者と共に ハイエイ・サラ(サラの生涯)(2026.11.8)

《聖書箇所》創世記23:1-25:18/①列王記1:1-31/マタイ8:19-22,27:3-10/ルカ9:57-62

《ギホンの泉》~分かち合いの呼び水~

『奇跡を待つ者から、一歩を踏み出す者へ』

アブラハムは137歳。長年連れ添った愛する妻を亡くし、人生の終盤を迎えていました。主はかつてアブラハムに「この地(カナン)のすべてをあなたと子孫に与える」「あなたの子孫は空の星のように多くなる」と約束されました。しかし、サラが亡くなった時、彼が所有していた土地は「ゼロ」でした。約束を継承する子どももイサク「たった一人」でした。神の壮大な約束と、目の前にある寂しい現実。このギャップを前にした時、私たちはどう生きるべきでしょうか。「神様が奇跡を起こして何とかしてくれる」と手をこまねいて待つべきでしょうか。それとも、目の前の現実の中に泥臭い一歩を踏み出すべきでしょうか。

アブラハムの現実主義

ラビ・サックス師は、このパラシャを通じて信仰の決定的な転換点を指摘しています。それまでのアブラハムの人生では、主が語りかけ、奇跡を起こし、彼を導いていました。しかしサラの死後、主の直接的な声は鳴りを潜め、聖書はアブラハム自身の「緻密な現実的交渉と行動」を実に詳しく描き始めます。アブラハムは主の約束を盾にして土地を要求しませんでした。ヘテ人のもとへ赴き、しかるべき対価(銀400シェケル)を満額支払って、マクペラの畑と洞穴を購入しました(創世記23章)。また、イサクの嫁探しにおいても、主が天から奇跡的に嫁を降らせるのを待つのではなく、信頼する僕を遠く故郷まで派遣し、現実的な条件のもとでリベカを見出させました(創世記24章)。

ラビ・サックス師はこう語ります。「信仰とは、主が代わりにやってくれるのを待つ受動性ではない。主の約束に励まされ、背中を押され、自らの足で行動を起こす能動性である」

アブラハムは、将来全土が与えられるという約束を信じていたからこそ、今、自分が払える現実のコストを払い、約束の地における「最初の1メートル」を自らの手で獲得したのです。

血の代価と「寄留者のための安息」

アブラハムが満額の銀で買い取ったマクペラの畑は、契約の先祖たちの安息の地となりました。これに対し、新約聖書マタイ27章では、ユダの裏切りの銀30枚によって「陶器師の畑(血の畑)」が買い取られます。この銀は、皮肉にも「寄留者(異邦人)のための墓地」として用いられました(ゼカリヤ11章、エレミヤ32章の預言の成就)。アブラハムがイスラエルの先祖のための安息地を買い取ったように、イエス様の身代わりの血の代価は、かつて主の契約の外にいた私たち異邦人にも、神の御国における永遠の相続権と真の安息を切り開いたのです。

イエス様の召しと私たちの覚悟

ルカ福音書9章で、イエス様に従おうとした者が「まず父を葬りに行かせてください」と願いました。それに対しイエス様は「死人たちに彼らの死人を葬らせなさい」と語られました。

第一世紀のユダヤ社会において、これは当日の葬儀ではなく、遺体が骨になる1年後に行う「第二次埋葬(骨箱への収納)」や、親が没するまでの後始末を指す言葉でした。つまり、「今はまだ自分の人生の都合があるから、すべてが整ったら従います」という引き延ばしの口実だったのです。

イエス様の言葉は、親を敬うトーラー(律法)の否定ではありません。主の到来によって始まった「神の国の緊急性」を示しています。アブラハムの僕がイサクの妻を探す際、「決して息子(イサク)を過去の場所へ連れ戻してはならない」(創世記24章6節)と命じられたように、主に従う者は「手に鋤をかけたら後ろを振り向かない」(ルカ9章62節参照)で、主の約束に信頼する者です。

今日、主のために踏み出す「小さな一歩」

アブラハムは生涯をかけても、カナン全土の所有も、星のような子孫の繁栄も見届けることはできませんでした。彼が得たのは「ひとつの墓地」と「一人の息子の結婚」だけでした。しかし聖書は、彼が「平安な老年を迎え、長寿を全うして息絶えて死んだ」(創世記25章8節)と記しています。

私たちが今日刻む小さな一歩こそが、イエス様が確かに再臨されることの証し、次の世代へ約束の契約を継承する確かな礎となります。

 

 

《シロアムの池》~分かち合いの恵み~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回の聖書箇所は

トルドット(歴史): 創世記25:19-28:9/マラキ1:1-2:7/ローマ9:6-16/ヘブル11:20,12:14-17です。

〔日曜日の午後6時から約1時間、主日礼拝を行っています。お気軽にお越しください。問い合わせ/電話090-9935-7053(松元)まで〕

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