Posted on 06/29/2025 at 20:48, by matsumoto
レビの子ケハテの子であるイツハルの子コラは、ルベンの子孫であるエリアブの子ダタンとアビラム、およびペレテの子オンと共謀して、会衆の上に立つ人たちで、会合で選び出された名のある者たち二百五十人のイスラエル人とともに、モーセに立ち向かった。民数記16章1-2節)
◆はじめに…現在も世界各地において紛争や内紛、そして侵略戦争が起き、多くの犠牲者や難民が発生しています。すべての人々が平和に暮らせる世界を望まずにはいられません。そんな中、米トランプ大統領が、強力な経済力と軍事力を背景に“力による平和”(=関税と軍事介入)を公言し、実行していますが、果たしてそれが持続可能な世界の平和に寄与するのか疑問に思うのは、私だけでしょうか? 私は“力によらない平和”の体現者、「柔和で、ろばに乗られる方」(ゼカリヤ9章9節、マタイ21章5節参照)に平和の希望を見ます。
◆コラ達の嫉妬(しっと)と扇動…今日のテキストは、モーセとアロンのリーダーシップに嫉妬したコラ達が企てた反乱(内紛)と、その結末の出来事です。コラ達と言うのは、コラとダタンとアビラムがその中心人物です。コラはモーセとアロンの従兄弟(いとこ)にあたり、「同じレビ族なのに何でモーセとアロンが民の上に立って、祭司職を独占してるのか」と言う不満がありました。ダタンとアビラムはルベン族、すなわちヤコブの長子の子孫ということで、「俺たちの方がレビ族より上で、むしろこちらに指導権があって然るべき」と言う秘めた思いがあったことでしょう。コラは、モーセとアロンのリーダーシップを認めず、自分こそリーダーシップを取る資格があるのだという本心は隠し、モーセとアロンに対して「分を越えている。全会衆残らず聖なるもの」(民数記16章3節)と建前の平等主義を訴えました。しかし彼らは指導者のいない共同体を望んでいたわけではありません。むしろ、指導者になることを望んでいたのです。彼らが求めていたのは真実ではなく、勝利(名誉、地位、権力)でした。
◆モーセの提案と執り成し…反乱を企てるコラ達に対してモーセは心を痛めつつ、対決の提案をし、主に執り成し、主に委ねました。結末は地がコラ達を飲み込み、二百五十人は焼き尽くされてしまうことに。この事態を目の当たりにしたイスラエルの会衆は翌日、モーセとアロンに「あなたがたは主の民を殺した」(民数記16章41節)とつぶやき、結果、疫病が拡がり、間髪入れず、モーセはアロンに民の贖いをするよう指示しました。真のリーダーは民がどのように反抗的であっても、心を痛め、執り成し、贖いをする、この託された使命を全うする者です。
◆結び…真のリーダーであるイエス様が新しい週も、私たち一人ひとりのために執り成し、贖って下さることに感謝します。
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