Posted on 10/02/2022 at 17:51, by matsumoto
目は目。歯には歯。手には手。足には足。(出エジプト21章24節) /『目には目、歯には歯で。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。(マタイ福音書5章38節)
◆はじめに…ロシアのプーチン大統領が先月21日に発動した動員令(徴兵令)から逃れるため出国したロシア人は約26万人以上に達したとCNNが伝えていました。法律によって国を守るために人殺しを強制されたくない、あるいは自分のいのちを犠牲にしたくないという、自然な思いと行動だと思います。
◆目には目、歯には歯…本日のテキストは、いわゆる民法、刑法に相当する決まりが記されてある章のうち、刑法の根幹の部分と言える箇所です。人の本能(自然な感情)として復讐心(仕返しをしたいという気持ち)があります。しかしその感情は時として暴走し、過剰な行動をしてしまうことがあります。典型的な例がかつてのモーセの行動があります(出エジプト記2章11-12節参照)。その過剰なリベンジに対して法的に“歯止め”をかけるのが、「目には目、歯には歯」でした。“同態復讐法”と呼ばれるものです。ただ復讐の連鎖を完全に断ち切ることは不可能です。それは現在の世界がいまだに復讐の連鎖が続いていることを観れば明らかです。そして日本においては、報復することは正義として、「敵基地攻撃能力」とか「反撃能力」という表現で、戦争放棄の大前提がある憲法(※)を有名無実化しようとする動きが活発になっています。
◆黄金律…イエス様は、旧約に記されてある“目には目、歯には歯”の律法の精神を徹底します。「左の頬も向けなさい」「上着もやりなさい」「一緒に二ミリオン行きなさい」「求める者には与え」「自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」(…)「自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。これが律法であり預言者です」(マタイ5章38節-7章12節参照)。この根拠は、天の父のみこころだとイエス様は語ります。「天の父は、悪い人にも良い人にも太陽を上らせ(…)雨を降らせ」「あなたがたに必要なものを知っておられ」「隠れた所で見ておられるあなたの父が報い」「求める者たちに良いものを下さる」(マタイ5章45節、6章8節、18節、7章11節参照)と。
◆結び…天の父は、私たち自身では返済不能の罪の代価を、御子イエス様を十字架に付けられることで、私たちのいのちを買い取ってくださいました。私たちのいのちは、イエス様のいのちと引き換えにして、天の父が私たちに与えて下さったいのちです。いのちの限りを尽くしてイエス様が示された黄金律を、身をもって為す者でありたい、そう願います。
※日本国憲法前文
日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。
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