Posted on 02/11/2024 at 14:28, by matsumoto
(…)異邦人のガリラヤは光栄を受けた。やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が照った(イザヤ9章1-2節) /(…)異邦人のガリラヤ。暗やみの中にすわっていた民は偉大な光を見、死の地と死の陰にすわっていた人々に、光が上った (マタイ4章15-16節)
◆はじめに…先週の7日の還暦の誕生日、休暇を取って「下村湖人生家」を訪ねました。言わずもがな『次郎物語』の著者です。他に『論語物語』『青年の思索のために』『西行の眼』などの著作があります。どの著作もとても教育的示唆に富んだものです。
◆異邦人のガリラヤ…今日のテキストに“異邦人のガリラヤ”とあります。これはガリラヤ地方にアッシリヤ(首都ニネベ)が侵入して、人種的、宗教的混交が生じ、異邦の民として蔑まれる対象になっていたということです。しかし預言の成就としてイエス様はこの預言の7百年後、ガリラヤ人として生き、ガリラヤで福音を語り、癒し、愛の御業を行なわれました。マタイはこのイザヤ書9章1-2節をイエス様のガリラヤ宣教の開始宣言として引用しました(マタイの福音書4章14-16節)。そしてイエス様は福音宣教の第一声を語り出されました。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから」(同17節) 。
◆ガリラヤから預言者は出ない?…イエス様の宣教は、ガリラヤ地方を中心に展開されました。イエス様は、幼少期から青年期までナザレで生活されていたことはご承知のことと思います。公生涯に入ってから郷里のナザレで宣教したことがありましたが、「この人(あいつ)は大工の息子じゃないか」(マタイ13章55節)と軽蔑され、また「キリストはガリラヤからは出ない」(ヨハネ7章41節)と。そして「ガリラヤから預言者は起こらない」(同52節)とも。ところが、②列王記14章25節に預言者ヨナの出身地がガテ・ヘフェルと記されてあり、ナザレの北東5キロに位置する町です。つまりヨナはガリラヤ出身の預言者です。
◆ヨナのしるし…イエス様は「預言者ヨナのしるし」(マタイ12章39節)と語っていますが、ヨナは主の御顔を避け、主のみこころに不愉快になって怒っています。また弟子のペテロのことを「バルヨナ(=ヨナの息子)」と呼んでいます(マタイ16章17節)。ペテロもガリラヤ生まれの漁師で、気性の激しい愚直な弟子でした。ペテロもイエス様のことばと振る舞いに対して抗議したり、逃げたりしました。
◆結び…ヨナ記の最後は問いかけで締めくくられています。「ニネベを惜しまないでいられようか」と。イエス様が「ましてあなたを惜しまないでいられようか」と語られる声が心に響いて来ないでしょうか。
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