Posted on 09/26/2021 at 09:29, by matsumoto

主日礼拝メッセージ要約『残りの者=あわれみの予定』(イエス・キリストの生涯 その178)(2021.9.26)

もしも、万軍の主が、少しの生き残りの者を私たちに残されなかったら、私たちもソドムのようになり、ゴモラと同じようになっていた。(イザヤ書1章9節)

  • はじめに…先週、私たちのもとに訃報が届きました。インドのマザーハウスのシスターたちから“ミセス・オロナイン”と呼ばれていた、私たちの知人で恩人でもあった是枝律子姉が新型コロナウイルス感染症によって亡くなりました。しばらく茫然自失状態でした。「生まれるのに時があり、死ぬのに時がある」(伝道者の書3章2節)のみことばの厳然たる現実に打ちのめされる思いでした。けれども、その打ちのめされた思いから救い出してくれたのは「良かった。是枝さんも天国で(事故で先立った)息子さんとご主人に会えて喜んでいると思う」と語られた一人の姉妹の実感のこもった言葉でした。アーメンです。今、是枝さんと関わりのあった者の中から、是枝さんが生前取り組んで来た働きと、その意志を継承、発展させようとする人々が起こされています。私たちもその一端を担わせていただけるなら光栄です。
  • 新約聖書におけるイザヤ書…さて先主日は“バラ”が記されている聖書のみことば、イザヤ書35章1節、ルカの福音書6章44節からシオンの回復と神の民の救いの働き、つまり時が満ちるまで待ち続ける父なる神と私たちの罪の贖いの子なるキリスト、そして私たちの霊を一新される聖霊の働きを学びました。その学びに触発され、今後、新約聖書に引用されているイザヤ書のみことばから聴いていきたいと考えています。
  • 残りの者…今回はその第一回、イザヤ書1章9節です。これはローマ人への手紙9章29節に引用されています。キーワードは「残された者」。ロマ書は「子孫」、イザヤ書は「生き残りの者」となっています。「残りの者」は自らの努力、能力で生き残ったのではなく、主の一方的な恵み、あわれみによって“残された”のです。イザヤ書1章の文脈によれば8節「シオンの娘は残された」とあり、残されたのは“イスラエルの民”ですが、ロマ書では異邦人にまで拡大されています。全知全能で、愛、善、聖その本質である主の御心は滅ぼすことではなく、恵みとあわれみによって救うことに尽きます。それは百パーセント聖霊の働きによる信仰によってです。人間の行ない、願いや努力、善行によるのではないということです。私たちの中には救われる能力も価値も無く、主の前に皆滅ぶべき罪人なのです。にもかかわらず主の目には尊く高価に映っているということです。なぜなら主イエス様がすでに私たちを贖って下さったからに他なりません。神様の憐れみのご計画です。
  • 結び…救いに与っている者の在り様は、主に対する感謝と奉仕、礼拝です。
Posted on 09/19/2021 at 09:17, by matsumoto

主日礼拝メッセージ要約『ばら物語』(イエス・キリストの生涯 その177)(2021.9.19)

荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ/砂漠よ、喜び、花を咲かせよ/野ばらの花を一面に咲かせよ。(イザヤ書35章1節/新共同訳) The wilderness and the solitary place shall be glad for them; and the desert shall rejoice, and blossom as the rose.(同/KJV)

  • はじめに…先週から家内がブリザーブドローズに挑戦しています。自宅玄関で鉢植えにして育てているバラを切り、ブリザード液に浸しています。どんなふうに仕上がるのか楽しみです。アレンジして作品になったら後日フェイスブックに写真をアップしようと思います。世界中にバラにまつわる物語(たとえば『美女と野獣』)や歴史、町おこしの取り組み(たとえば広島県福山市の「ばらのまち福山」やイギリスの「オープンガーデン」)があるように、バラには人々を魅了してやまない力と可能性があるように思います。
  • 聖書の中のバラ…聖書のみことばのなかに“バラ”が記されているか調べてみると、数カ所ほどありました。そのなかで心に留まったみことばが本日のテキストのイザヤ書35章1節です。35章はシオンの回復と神の民の救いについての預言です。つまり“バラ”はその象徴としての存在だと言えます。
  • イエス様の語られたバラ…一度、イエス様はバラを持ち出してたとえ話をされています。「木はどれでも、その実によってわかるものです。いばらからいちじくは取れず、野ばらからぶどうを集めることはできません。」(ルカの福音書6章44節) と。サラッと読むと、いばら/野ばらは悪い木、いちじく/ぶどうは良い木と読んでしまいがちです。しかし、ルカの福音書13章6-9節でイエス様は「実のみのならいいちじくの木」の話をされています。いちじくの木でもぶどうの木でも実をつけない木もあるということです。ここで語られているのは、イエス様は、実りのないいちじくの木、実りのないぶどうの木が実をつけるまで待ってもらうよう仲介をし、創造の父なる神様は、そしてその弁護を受けて忍耐し時が満ちるまで待ち続ける父なる神と子なるキリストとの関係と言えます。そしてイエス様が十字架において贖いの血を流され、言い替えれば聖霊の水がこの地に(さらに黄泉にまで)注がれた事実により、いちじくもぶどうも、そしていばらも野ばらも、すべての被造物が贖われ、新しくなると、福音の大路が明らかにされ、その感動に霊、たましい、からだすべてが喜び躍る、そう先見者イザヤは預言したのでしょう。
  • 結び…天地創造の父なる神様、贖いの主イエス様、弁護者であり養護者である聖霊様の栄光に照らされ、輝く、回復したエデンの園を確信させて頂ける恵みを感謝します。
Posted on 09/12/2021 at 08:44, by matsumoto

主日礼拝メッセージ要約『WELCOME』(イエス・キリストの生涯 その176)(2021.9.12)

こうしてパウロは満二年の間、自費で借りた家に住み、たずねて来る人たちをみな迎えて、大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。(使徒の働き28章30-31節)

  • はじめに…インターネット環境の整った今の時代、ウェブカメラで世界中の“今”をリアルタイムで観ることができます。コロナ禍であってもバーチャル世界旅行ができます。それで現在のエルサレム(西壁)の様子をウェブカメラ(www.skylinewebcams.com/)で見てみると、超正統派ユダヤ人の方々が壁一面に引っ付いて祈りを捧げていました。同様に、ローマに護送されたパウロが住んでいた(軟禁されていた)といわれる場所に建てられた、サン・パウロ・アラレゴラ教会を観てみると、教会の尖塔がライトアップされていましたが周囲は閑散として人の気配はありませんでした。しかしリアルタイムでかつてパウロが生きた生の現場を見ると、タイムスリップして、パウロの息遣いを身近に感じることができます。
  • 聖霊に導かれて…ユーラクロンと呼ばれる暴風に翻弄されたり、穏やかな南風を帆にいっぱい受けて、途中、数々の港に寄港しながらパウロ一行はローマに到着しました(AD60年春頃)。そしてそこで二年間、自費で借りた家に住み、訪問者をみな歓迎して受け入れ、神の国、イエス様のことを教えたと使徒の働きの著者ルカは記して、その筆を置いています。その書き出しは、復活のイエス様が神の国のこと、そして聖霊が臨むとき、エルサレム、ユダヤ、サマリヤ、そして地の果て(ローマ)まで、私の証人になると語られたことでした。事実、パウロが聖霊の導きによってキリストの証人として地の果てのローマで、神の国そしてイエス様のことを大胆に語り、みことばが成就したことを伝えています。
  • イエス様の心を伝える…ちなみに今日の聖書の箇所のヘブル語訳を私訳してみると「彼は神の国を呼び求め(電話し)、信仰の中心で私たちの主イエス・キリストの道(心)を妨げられることなく教え続けた」となります。パウロは、キリスト教神学を教えたのではなく、イエス様を心の中心に迎え入れ、イエス様の隣人を大切に思うあたたかい感情でもって、訪ねて来る人たちと分け隔てなく接したということでしょう。パウロにとっては、世界を駆け回ることも幽閉されても、その立ち方には何ら変わりはなかったのです。
  • 結び…今、私たちが自分の置かれている環境、状況がどうであれ、聖霊の導きの中で、イエス様を呼び求め、イエス様のあたたかい思いをもって生きられますように。
Posted on 09/05/2021 at 08:55, by matsumoto

主日礼拝メッセージ要約『人生の羅針盤』(イエス・キリストの生涯 その175)(2021.9.5)

かなりの日数が経過しており、断食の季節もすでに過ぎていたため、もう航海は危険であったので、パウロは人々に注意して、「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危険と大きな損失が及ぶと、私は考えます。」と言った。(使徒の働き27章9-10節)

  • はじめに…2021年(ユダヤ暦5782年)のユダヤの新年(ローシュ・ハシャナー)は今週の火曜日(9月7日)から始まります。そして10日後の16日が贖罪の日(ヨム・キプール)、15日後の21日から仮庵の祭り(スコット)が始まります。ちなみに2021年は7年に一度の安息年(シェミッター)です。負債を免除し、奴隷を解放し、土地を休ませる年です(申命記15章1-3節、レビ記25章4-5節、出エジプト記23章11節参照)
  • 断食の季節…いよいよ囚人パウロのローマへの移送です。今日のテキストで「断食の季節」とありますが、これは贖罪の日(ヨム・キプール)における断食を指していると考えられます。つまり仮庵の祭りの時期を過ぎると一気に冬の気候へと変わり、地中海の海は時化で大荒れになります。この当時、船での航行は太陽と星で進行方向を確認していました。まだ羅針盤がありませんでしたから、黒雲に覆われると、進むべき方向を見定めることが出来なくなり、航海は非常に危険に晒されました。そのことをパウロはよく知っていました。航海士や船長にいたっては、なお更のことです。それ故、多少リスクがあったとしても、これまでに培ってきた知識と経験から回避できると考えたのでしょう。穏やかな南風が吹くやいなや、パウロの忠告を無視して冬を越すための快適な港を目指して出帆しました。
  • 絶望の淵で…案の定、船はユーラクロンという暴風に翻弄され、パウロの忠告した通りの結果になりました。しかしパウロは「だから言わんこっちゃない…」と言いながらも、皆が望を失わざるを得ない状況の中で、あきらめることなく希望と励ましの声を掛けます。「元気を出しなさい。いのちを失う者はひとりもない。(主が)私に告げられたとおりになると信じています」(使徒の働き27章22-26節)
  • 人生の羅針盤…人が①知識経験(知)に頼り、②自己利益(欲)に動かされ、③所有(物)に執着し、④自己の命(肉)を惜しむ人生を歩むとき、それは方向を見失った難破船に乗っている人生と言えます。進むべき方向を明確に指し示すのは“人生の羅針盤”なる福音、みことば、主イエス様です。
  • 結び…今、あなたの人生がたとえ暴風、荒波に翻弄されていても、確かな希望を指し示し、支えて下さる主イエス様があなたと共にいて下さいます。
Posted on 08/29/2021 at 09:17, by matsumoto

主日礼拝メッセージ要約『天からの啓示にそむかず』(イエス・キリストの生涯 その174)(2021.8.29)

それは彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるためである。こういうわけで、アグリッパ王よ、私は、この天からの啓示にそむかず、(…)(使徒の働き26章18-19節) 

  • はじめに…先週26日の夕方、アフガニスタンの首都カブールの空港で死者百人を超える爆破テロが発生しました。なぜ、テロはなくならないのか。アフガニスタンで活動した医師の中村哲さんが、参考人として招かれた国会で発言している。「土壌、根っこの背景からなくしていかないと、ただ、たたけ、たたけというげんこつだけではテロはなくならない」(8月28日付『中日春秋』より)。
  • テロリスト・パウロ?…今日の箇所で、パウロはアグリッパ王の前で弁明(回心の証し)をしています。ナザレ人イエスの名に強硬に敵対し、聖徒たちが殺されるときには、それに賛成し、罰し、強いて御名をけがすことばを言わせようと激しい怒りに燃えて彼らを追跡したと、かつて自身がキリスト者(この道の者)を誰彼となく標的にしていたと、あたかもテロリストのようだったことを表白しています。そのパウロに復活の主が、『サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか。とげのついた棒をけるのは、あなたにとって痛いことだ』(使徒の働き26章14節)と語りかけられたというのです。
  • とげのついた棒と天からの啓示…“とげのついた棒をける”というのは、広く用いられていた格言です。当時、牛に鋤を引かせ畑を耕していたのですが、歩みを止めたり、歩みが逸れたりした時、主人がとげのついた棒で叩いて、牛を操縦していました。しかし牛にも気分の悪い時もあり、自らとげのついた棒を蹴ったりすることがあり、そうすると当然、痛い訳です。パウロは気が付いたのです。死者の復活、メシアの到来は信じていたけれども、木(十字架)につるされて死んだ者は神に呪われた者(申命記21章22-23節参照)であるので、ナザレ人イエスは呪われた者であってメシアではないというかつての確信は、真理ではなかったのだと。そうではなくてイエス・キリストが私たちのために呪われた者となって、私たちを律法の呪いから贖い出して下さり(ガラテヤ3章13節参照)、罪の赦しを得させ、御国を受け継がせて下さるという“天からの啓示”を確信し、アグリッパの前で大胆に証したのです(使徒の働き26章18-20節参照)。そして鎖に繋がれたパウロは預言どおりローマへと導かれることとなります(同23章11節参照)
  • 結び…罪の赦しと御国の希望を胸に歩ませて頂けることを主に感謝します。
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